先日(8/27)に国土交通省から、「平成28年度税制改正要望」が公開されました。
「税制改正要望」とは、各省庁や業界団体が、各々の立場から出す翌年度の税制についての要望提言。
これらの要望は、12月頃に発表される「税制改正大綱」への参考となります。
その改正大綱が、「税制改正法案」の原案となり、1月頃からの国会で審議されることになります。
ですので、改正要望に盛り込まれたからと言って、翌年度に税制改正が行われるとは限らないのですが、宅関連に関わりの深い国土交通省の改正要望はどうなっているのでしょうか。
見てみましょう。
国土交通省の平成28年度の税制改正要望は下記から閲覧する事が出来ます。
平成28年度国土交通省関係税制改正要望(主要事項)
新築住宅・リフォーム関連で注目の要望は「Ⅰ.豊かで安全・安心な暮らしの実現」の
○新築住宅に係る税額の減額措置の延長
○認定長期優良住宅に係る特例措置の延長
○耐震、バリアフリー、省エネ改修が行われた既存住宅に係る特例措置の延長・拡充
○空き家の発生を抑制するための特例措置の創設
でしょうか。
○新築住宅に係る税額の減額措置の延長
新築住宅の固定資産税の減額措置は一定期間税額が1/2になります。
これは平成28年3月31日に建てられた新築住宅が対象となっておりましたが、2年間の延長を要望しています。
平成29年4月に消費税が引き上げられるので、減税が延長されないと負担が増大になってしまいますね。
固定資産税の税額1/2は非常に大きい!
○認定長期優良住宅に係る特例措置の延長
長期優良住宅は、「登録免許税」「不動産取得税」「固定資産税」において、減税特例が適用されています。
こちらも適用期限は平成28年3月31日までなので、2年延長を要望に挙げています。
長期優良住宅は、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く大切につかう」ことを意識した住宅。
税制上のメリットが大きいという理由が購入の決め手になること注文者が多数いるので、ぜひ延長してほしいですね!
○耐震、バリアフリー、省エネ改修が行われた既存住宅に係る特例措置の延長・拡充
こちらはリフォームに対する特例措置です。
耐震(平成27年12月31日)、バリアフリー・省エネ改修(平成28年3月31日)の固定資産税減税の適用期限を3年延長するよう要望しています。
日本における住宅ストックは、量的には充足しています。
今後はこれらの住宅ストックを長期に使用出来る様、性能を高めるリフォームが大切になってきます。
○空き家の発生を抑制するための特例措置の創設
上記は今までの減税措置の期間延長要望でしたが、今回新規に創設要望をしているのが、「空き家」の対策措置。
親所有の住宅を相続などしても、利用する事ができず、改修や除却にも多大な費用負担になるため、そのまま「空き家」になることが多くあるそうです。
「空き家」は何が問題になるのでしょう?
倒壊の危険・不審者や猫、ねずみなどのたまり場になる・放火される・雑草が覆い茂り害虫が繁殖する・・・など様々な問題が挙げられます。
空き家発生を抑制するために、相続後一定期間内に1)耐震リフォーム 2)除却 を行った場合は、工事費の10%を所得税から控除するよう要望しています。
・・・これらの要望は通るのでしょうか。
住宅購入・リフォーム検討中の方、相続の可能性がある方、注視していきましょう。
このブログでも都度レポートしていきたいと思います。